
2025年8月7日としま区民センターにて行われた「としま区民後見人養成講習説明会」に参加しました。ビデオによる動画視聴も挿み約90分豊島区における区民後見人の養成・活動状況について説明がなされました。説明会は2回行われる予定で第1回の8月7日説明会には50名の定員に対し44名の方が参加されました。前回の説明会は2回合わせ39名の参加者だったそうですので区民の方々の関心が高まっているといえると思います。
成年後見人制度とは
認知症、知的障害、精神障害などの理由で、ひとりで決めることが心配な方々は、財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続など)や身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所・入院の契約締結、履行状況の確認など)などの法律行為をひとりで行うのがむずかしい場合があります。
また、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。
このような、ひとりで決めることに不安のある方々を法的に保護し、ご本人の意思を尊重した支援(意思決定支援)を行い、共に考え、地域全体で明るい未来を築いていく。それが成年後見制度です。
引用元:厚生労働省ホームページよりhttps://guardianship.mhlw.go.jp/personal/
平成12年に始まった成年後見人制度ですが、高齢化社会の進行により後見人の担い手の必要性がますます増加することが想定され家族による親族後見人、弁護士・司法書士・社会福祉士等による専門職後見人を補うため社会貢献型後見人という地域社会の助け合いにもとづく区民後見人の育成が社会的な課題とされているものです。令和6年度には後見人申し立ての内訳として市町村長からの申し立てが全体の23.9%にいたったことも区民後見人育成の要素の一つかもしれません。
区民後見人とは
区民後見人とは・・豊島区が実施する講習を修了後、後見活動メンバーとして登録し、家庭裁判所の選任を受けた方が区民後見人として活躍します。親族や専門職ではなく、地域に暮らす住民として、ご本人と同じ目線で考え、支援することが期待されています。
今回の説明会は今後必要性の増加が想定される区民後見人を養成する入門講座の事前説明会という位置づけのようです。東京都では都内各所に「成年後見制度推進機関」を設置し豊島区では「サポートとしま」がその役割をになっています。
豊島区における区民後見人の活動状況について
養成講座を修了した方が「サポートとしま」に後見活動メンバーとして登録、研鑽を積んだ後に成年後見の受任を目指すそうです。豊島区における区民後見人の受任実績は受任経験者数14名、受任件数17件。令和7年7月末3名の区民後見人が3件受任中(うち1件死後事務)。現状の受任件数はそれ程の数でないという印象をうけましたが、家庭裁判所とすれば専門職後見人や親族後見人も候補者として存在する状況のもと被後見人の財産状況・家族関係等から区民後見人を選択するという判断は現況それほどでないということかもしれません。また受任後の年月の経過により自然減少することはやむを得ないことでもあります。
区民後見人養成の流れ
- 説明会
- 入門講座(定員30名)3回
- 選考1(書類選考および面接)
- 基礎講座(定員10名程度)7日間
- 実践講座(定員10名程度)
- 選考2(登録意向確認および面接)
- 後見活動メンバー登録
- フォローアップ研修等→後見候補者として推薦
- 受任
令和7年8月に説明会が開催され令和8年10月以降に後見活動メンバー登録といった流れです。後見人の役割の重要性を鑑み時間をかけ養成することが見て取れます。
最後に
親族後見人の方が必要に迫われ知識も時間の少なく後見人にならざるえないこともあることを考えると多くの区民が区民後見人に関心を持ち知識を得ることは大変重要であると思いました。区民後見人養成講座説明会に参加し区民の一人として区民後見人の重要性と意義が理解できました。
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