
6月18日大塚病院地下1階福抜けホールで公開講座で「くも膜下出血〜脳動脈瘤について〜」を聴講してきました。講師は脳神経外科医長の岡田博史先生です。講義概要は以下の通り
1. くも膜下出血の概要
- 脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりして脳が障害される状態の総称で、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血に大別される。
- くも膜下出血は脳卒中全体の約5.2%を占める。
- 脳梗塞は血管が詰まる病気、脳出血は脳内の血管が破れる病気だが、くも膜下出血は脳を覆う「くも膜」の内側、つまり脳の表面で出血する病気である。
2. くも膜下出血の疫学・症状
- 発症率は人口10万人あたり年間約20人で、50~60代の働き盛りに多い。
- リスク因子は喫煙・多量飲酒・高血圧などで、やや女性に多い傾向がある。
- 死亡率が高く、発症者の約半数が死亡。助かった場合でも約60%に何らかの後遺症が残る。
- 主症状は「バットで殴られたような」「経験したことのない」と形容される激しい頭痛で、意識障害を伴うことがある。
3. くも膜下出血の原因・治療
- 最も多い原因は「脳動脈瘤」の破裂。
- 治療の第一目標は再出血の予防。一度破裂した動脈瘤は再破裂しやすく、再破裂は致命率が非常に高いため、発症後なるべく早く(通常1~2日以内)手術を行う。
- 手術方法には、頭部を開いて動脈瘤の根元をクリップで挟む「開頭クリッピング術」と、血管内からカテーテルで動脈瘤を詰める「血管内治療」がある。
- 手術後も、脳の血管が縮む「脳血管攣縮(れんしゅく)」による脳梗塞を防ぐため、数週間の入院と集中治療が必要。
4. 脳動脈瘤の基礎知識
- 脳動脈瘤は、加齢などで弱くなった脳の血管に血流の圧力がかかり、分岐部などがこぶ状に膨らんでできる。
- 成人の2~4%に見つかる比較的ありふれたもので、家族歴がある人は保有率がやや高い。
- 大きさにより破裂率が異なる。3mm程度では年間0.36%、5mm超で年間1.69%に上昇するが、全体での年間破裂率は約0.95%。
- この破裂率は東京都で交通事故に遭う確率(約1%)と同程度で、見つかってもすぐに破裂するわけではない。
5. 脳動脈瘤の発見・予防
- 脳動脈瘤は自覚症状がないため、発見には脳ドックなどの脳検査(MRAなど)が必要。
- 家族歴がある人や特定の疾患がある人は、一度検査を受けることが推奨される。
- 脳卒中は介護が必要になる可能性が高い病気であり、発症前の予防が非常に重要。
- 破裂前に開頭クリッピング術や血管内治療を行うことが治療選択として検討される。

講義を聴講した感想はくも膜下出血は早期に対応しないと死亡率が高く予後も困難ということで恐れられているが、必要以上に恐れることはなく正しく恐れ備えることが重要。予防に努めて高血圧を避けることが最優先である。
次回:2026年7月12日(日)14:00〜15:00
会場:千石図書館
テーマ:尿路結石症について
講師:大塚病院泌尿器科部長 高沢亮治先生



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