大塚病院公開講座で「動脈硬化で死なないために」を聴講してきました。

イベント

東京都立大塚病院が地域の住民に向けて病気や家庭で役立つ医学知識を解説してくれる公開講座に参加してきました。今回は「血管の老化と新しいアンチエイジング〜動脈硬化で死なないために〜」という演題で循環器内科医長の荒尾先生からお話がありました。
 約60席の椅子はほぼ一杯で聴講者はベテランの方々中心でした。講座は11時から11時30分まで行われました。講演の要約は以下の通り。

1. 動脈硬化の危険性と進行

  • 日本人の3人に1人が動脈硬化が原因で亡くなっており、極めて危険な病気である。
  • 進行すると血管内側にコレステロールなどが蓄積し、血管が裂けたり詰まったりして心筋梗塞や脳梗塞を招く。
  • 心臓の血管(冠動脈)は代替がなく、一度詰まるとその先の組織に血液が届かない。

2. 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)の症状と治療

  • 冠動脈が50%狭窄しても日常生活では症状が出ないことが多い。
  • 75%狭窄で、重い物を持つなどの負荷時に胸部圧迫感・息苦しさ(狭心症)が現れる。
  • 90%狭窄では安静時にも胸の圧迫感などの症状が出る。この段階なら治療で血管の状態を元に近づけられる。
  • 完全閉塞(心筋梗塞)では心筋が壊死し始め、時間との勝負。一度壊死した心筋は回復せず、心機能は永久に低下する。
  • 心筋梗塞後、心臓の一部はゴムボールの一部がセメントに置き換わったように硬くなる。

3. 動脈硬化の主因

  • 変えられない要因:年齢、遺伝的素因。
  • 変えられる要因:喫煙、糖尿病、コレステロール異常、高血圧、肥満。

4. 喫煙のリスクと禁煙の効果

  • 喫煙は突然死のリスクを10倍に高めるなど、想像以上に危険。
  • 喫煙中に血管の攣縮が起こり、急性心筋梗塞を引き起こすことがある。
  • 禁煙の健康効果は時間とともに現れる。
    • 20分:脈拍が正常化し、手足の温度が上昇。
    • 48時間:味覚・嗅覚が改善。
    • 3週間:心肺機能が改善。
    • 5年:心臓病リスクが非喫煙者に近づく。10年:がんリスクが大幅低下。
  • 受動喫煙も極めて有害で、吐き出す煙には吸い込む煙より多くの発がん物質が含まれる。
  • 屋外の無風でも、喫煙者から7メートル以上離れないと健康被害のリスクがある。

5. 糖尿病と動脈硬化

  • 糖尿病患者は、足切断・透析・失明などの合併症に至る前に、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞で命を落とすことが多い。
  • 自覚症状が乏しいまま、突然生命に関わる事態になるため要注意。

6. コレステロールと食事

  • コレステロールは体内で合成される必須物質で、過度に避ける必要はない。
  • 食事は、動物性脂肪・植物油・魚油を「3:4:3」の比率で摂るのが望ましい。
  • 体重減少、適度な運動、節酒でもコレステロールは改善する。
  • イカのように含有量は多くても、摂取で逆にコレステロールを下げる食品もあり、情報に振り回されずバランス重視が重要。
  • 最も大切なのは食べ過ぎないこと。

7. 痛風(高尿酸血症)と動脈硬化

  • 痛風は、動脈硬化や心筋梗塞の前兆・警告として現れる場合がある。
  • プリン体ゼロのビールでも、アルコール自体が尿酸値を上げるため効果はない。
  • 女性は女性ホルモンの影響で尿酸値が上がりにくいが、同じ値でも男性より痛風になりやすい傾向がある。

8. 高血圧と減塩の重要性

  • 高血圧は動脈硬化を進め、動脈硬化がさらに血圧を上げる悪循環を生む。
  • 減塩の工夫:色の薄い「うすくち醤油」や「ちくわ・はんぺん」など練り製品の塩分に注意。
  • 塩分は液体(スープ)に溶けると薄く感じ、固形(ふりかけ)だと塩味を強く感じる。
  • ナトリウム表示は数値×2.54で食塩相当量。
  • 2週間の減塩で味覚が敏感になり、素材本来の繊細な味を感じられ、食生活が豊かになる。

9. メタボリックシンドロームの正しい理解

  • メタボは腹囲だけでなく、中性脂肪・高血圧・高血糖・低HDLコレステロール・肥満といった複数の障害が連動した状態。
  • これらが重なると、突然心臓病などで命を落とすリスクが高まる。

10. 終末糖化産物(AGEs)のリスクと対策

  • パンケーキ、焼きおにぎりなど、こんがり焼けた「おいしそうなもの」にはAGEsが多い。
  • AGEsは血管の老化、動脈硬化、がん、白内障、脳細胞の老化を促進。
  • フライドポテトやポテトチップスに含まれるアクリルアミドは発がん性が指摘される有害なAGEs。
  • 調理法は「焼く・炒める・揚げる」より「茹でる・煮る・蒸す」がAGEs生成を抑える。
  • AGEsの多い食事時は、野菜・果物・お茶(カテキン)を併せて摂ると害をある程度打ち消せる。

11. 健康的な生活習慣のまとめ

  • 動脈硬化は恐ろしいが、要点を押さえた対策で予防は可能。
  • 特定の「体に良い」ものを大量摂取するのではなく、自然で無理なく、一生続けられるバランスのよい生活習慣を心がけることが最重要。

個人の感想としてはタバコは動脈硬化に対しては非常に有害。アルコールも現在の医学では少しの飲酒でも体には有益でない。動脈硬化を防ぐには塩分摂取に気をつけるしかない。ということでした。

30分と時間が限られた中でしたが、荒尾先生には平易な言葉ながらも動脈硬化の危険性について注意喚起いただきました。これからの日常生活で塩分摂りすぎやアルコール過剰摂取せず動脈硬化を少しでも和らげようと思いました。

次回は5月18日(月)11時〜11時30分 演題は「知っておきたい白内障」です。興味のある方は是非参加してはいかがでしょうか?

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